老犬の夜鳴き・徘徊・粗相は「叱らない」が正解|「認知症かも」と思ったら最初に知ってほしいこと
夜中に、ずっと鳴き続ける。同じところを、ぐるぐる歩き回る。覚えていたはずのトイレを失敗する。
——もしかしたら、それは老犬の認知機能の低下、いわゆる「犬の認知症」のサインかもしれません。
特に夜鳴きは、本当につらいですよね。眠れない日が続いて、ご近所への申し訳なさも重なって、心も体も削られていく。今これを読んでくださっているあなたも、ゆうべ、ほとんど眠れなかったかもしれません。あなたは、もう十分がんばっています。
この記事では、「認知症かも」と思ったときに最初に知ってほしいことを、症状別の家庭でできる対応とあわせてお伝えします。読み終わるころには、今日からできる具体的な一歩が見えるはずです。
▲ 動画でも解説しています(約8分)。読むのがつらい日は、流し聞きでもどうぞ。
まず一番大切なこと:「わがまま」になったのではありません
夜鳴きや徘徊、粗相は、愛犬の性格が変わったわけでも、わがままになったわけでもありません。脳の老化による症状です。
だから——叱っても直りません。そして、叱る必要もありません。症状には本人(本犬)も戸惑っています。まずこのことを知るだけで、気持ちがずいぶん楽になります。
老犬介護の絶対ルール:「叱らない。環境で受け止める。」
犬を直接「直す」のではなく、犬が失敗しない・失敗しても問題ない「空間」を作る。これが、お互いのストレスをなくす全ての基本です。

症状別・家庭でできる対応
| 症状 | 家庭でできる工夫 |
|---|---|
| 夜鳴き | 昼間に日光を浴びさせ、適度に体を動かして昼夜逆転を防ぐ。寝床は安心できる狭めの空間に。改善しない時は獣医師へ相談を(薬やサプリで楽になるケースもあります)。 |
| 徘徊・はまり込み | 家具の角をなくす。ぶつかっても痛くないようクッション材で囲う。円形のサークルで、行き止まりのないルートを作る。 |
| 粗相 | 叱らない。トイレの数を増やす、行動範囲全体にトイレシートを敷き詰める。「失敗を前提」に環境を整えるほうが、お互い楽になります。 |
| 食事の要求 | 1回の量を減らして回数を増やす。早食い防止の食器を使う。 |
共通するのは、ぜんぶ「叱らない」こと。責めずに、環境で受け止める。これが基本です。

でも、一人で抱え込まないでください
正直に言うと、これを24時間365日、たった一人で続けるのには限界があります。特に夜鳴きが続くと、飼い主さんの心身が先に倒れてしまう。

数日でも、夜だけでも、誰かに代わってもらって眠る。それは「甘え」ではなく、介護を続けるために必要な手当てです。
とはいえ、認知症の老犬は「夜鳴きするので」と、普通のペットホテルでは断られがちなのも現実です。

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※この記事は獣医療の代わりではありません。症状が続く・つらい時は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。